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映画「沈黙の50年」上映会の取り組みについて公益社団法人兵庫県聴覚障害者協会

2024年05月21日 category : 更新記事 

1.旧優生保護法の被害者一人ひとりの救済に向けて
 2018年1月、仙台の女性が初めて国に賠償を求めて提訴。それをきっかけに全日本ろうあ連盟の全国調査によって、被害者が50年もの沈黙を破り始めました。
 被害者が勇気を振り絞って裁判に立ち上がったのです。しかしながら、多くの被害者は沈黙の状況におかれています。支援者の支援力と併せて、被害者の意識を高める援助行動が求められます。

2.最高裁判大法廷での審理開始と運動の推進
 2023年11月1日、最高裁大法廷での審理開始が決定されました。憲法判断と「除斥期間」について分かれている高等裁判所の判断の審理がされます。一般的には数年かかる審理ですが1年を目途にまとめるとの報道があります。優生保護法問題の全面解決をめざす全国連絡会は最高裁への正義公正審理を求めて100万筆署名運動を展開しています。ろうあ連盟も全国手話通訳問題研究会・手話通訳士協会と共に、20万筆を目標として各府県の団体に働きかけています。

3.差別偏見・優生思想を克服することは国民的課題
 原告として闘っている38人の被害者の半数近くはろう者です。生涯にわたる人権侵害の苦悩の中で立ち上がった「人としての尊厳と人権回復」の闘いは、障害者はもとより、あらゆる差別偏見をなくす国民的な課題でもあります。

4.ろうあ運動の分野での責務
 権利条約の批准を頂点とした今日の障害観や者を言語への理解、欠格条項を含む法・制度の改善などは長年の運動の成果です。その運動を担ったのは、今の高齢ろう者です。この認識について、また課題について、ろう者団体ごとの意識差を克服し、20万筆の達成、最高裁の正義公正判決を導くことはわたくしたち世代の役割です。

5.映画の位置づけと意義
 今なお、被害を訴えることが困難な状況におかれている被害者の皆さんの心に訴えるとともに、こっかいと政府を動かし、政治的解決の可能性も追求します。この映画はこうした運動・闘いの中に位置づけられてこそ意味があります。単なる記録映画でも娯楽映画でもありません。映画の完成予定は5月。最高裁の判決は1年後であり、時間は多くありません。今から各地での上映計画を立てていただき、署名などの運動の推進に役立てたいと願っています。そのために全日本ろうあ連盟と共に全力を挙げる決意です。

この事から兵庫県各地に於いても上映実施をし、たくさんの方々に見ていただき事実と理解を広めていきたいと思います。上映時間は約1時間となっています。


【申し込み&問い合わせ】
★映画「沈黙の50年」制作委員会 
Mail : chinmoku50.m★gmail.com(★を@に置きかえてください)
FAX : 075-932-4043


 


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